不登校で夫婦の「温度差」に悩む父親へ。叱る妻と、叱らない私が4年でたどり着いた答え

体験談

この記事を書いた人:ヒロ(50代・会社員)

小1のGW明けに息子が突然不登校に。それから4年、平日はテレワークで息子を見ながら過ごしています。妻との温度差に一番苦しんだ時期のことを、同じ立場の父親に向けて正直に書きます。

子どもが不登校になって、夫婦の仲がぎくしゃくする。

これは、不登校の家庭でかなりの確率で起きることだと思います。少なくとも、うちはそうでした。

子どもが学校に行けないという事実より、その子への向き合い方が妻と自分でまるで違うことのほうが、当時の私にはこたえました。

この記事は、当時の私と同じように「妻との温度差がつらい」と感じている父親に向けて書いています。結論を先に言うと、4年かけて私がたどり着いたのは、どちらかが間違っているわけではなく、役割が違うだけだったという答えです。

勉強させたい妻、楽しく過ごせればいい私

うちの温度差は、はっきりしていました。

妻は、子どもにちゃんと勉強させたい、生活リズムを整えさせたいという気持ちが強い人です。だから、ゲームばかりしていたり昼まで寝ていたりすると、叱る。「このままで将来どうするの」という不安が、言葉の根っこにありました。

一方の私は、まず毎日を明るく、楽しく過ごせることを大事にしていました。学校に行けないだけでも本人はしんどいのに、家でも追い詰めたくない。だから、あまり叱らない。

同じ子どもを見ているのに、出てくる行動が正反対です。妻が叱り、私がフォローする。妻からすれば「あなたが甘やかすから」、私からすれば「そんなに叱らなくても」。当時はお互い、相手のやり方が間違っているように見えていました。

叱る・叱らないで、どちらが正しいのか

長いあいだ、私はこの問いの答えを探していました。叱るべきなのか、叱らないべきなのか。

でも、4年経った今ならわかります。これは「正しさ」を競う問題ではなかったんです。

子どもには、ブレーキをかけてくれる人も、受け止めてくれる人も、両方必要でした。妻が「ちゃんとさせたい」と願うのは、子どもの将来を本気で心配しているからです。私が「楽しく過ごせれば」と思うのは、今の本人を守りたいからです。向いている方向が「未来」か「今」かが違うだけで、どちらも子どもを思う気持ちは同じでした。

叱る人しかいない家庭は、子どもの逃げ場がなくなります。叱らない人しかいない家庭は、歯止めがきかなくなります。叱る妻と、受け止める私。両方いたからこそ、うちの子は極端なほうに振れずに済んだのだと、今は思えます。

温度差で苦しんでいる父親へ

妻のやり方を「間違っている」と思っているうちは、ぶつかり続けます。でも「役割が違うだけ」と思えた瞬間、相手を責める気持ちが少し軽くなりました。温度差は、なくすものではなく、活かすものなのかもしれません。

正直に書く:平日ワンオペのしんどさ

きれいごとだけでは終われないので、正直なところも書きます。

うちは私がテレワーク中心で、妻は平日は朝から夜までいません。つまり平日の日中、不登校の息子と過ごしているのは私です。仕事の合間に昼食を用意し、相手をしながら、また仕事に戻る。気持ちとしては、平日はほとんどシングルファーザーでした。

この大変さは、正直、今も続いています。だからこそ、たまに帰ってきた妻が子どもを叱るのを見ると、「日中ずっと向き合っているのは自分なのに」という気持ちが、まったく湧かなかったと言えば嘘になります。

でも、それも結局は役割分担なんだと考えるようにしました。二人とも働いて家計を支えている。そのうえで、妻は外で、私は家で働きながら子どもを見ている。同じように働いていても、平日の日中に子どもと過ごしているぶん、見えている景色が違う。だから温度差が生まれるのは当たり前です。相手の景色が見えていないだけで、どちらも家族のために動いている。

完全に割り切れたわけではありません。しんどい日もあります。それでも「自分ばかり」と思うより、「役割が違う」と思うほうが、家族としてやっていける。私はそう選びました。

夫婦の温度差を少しでも減らすために、やってよかったこと

考え方を変えるだけでなく、実際にやってみて効果があったことを挙げておきます。

① 子どもの前で、相手のやり方を否定しない

妻が叱っているときに私が口を挟むと、子どもは「どっちを信じればいいの」と混乱します。違和感があっても、その場では止めない。話すのは後で、二人だけのときに。

② 日中の様子を、妻に共有する

妻が叱り気味になるのは、日中の子どもの姿を見ていないからでもあります。「今日はこんな会話ができた」と小さなことを伝えるだけで、妻の見える景色が変わり、当たりが柔らかくなりました。

③ 「どっちが正しいか」を話し合わない

正しさを決めようとすると、必ずどちらかを否定することになります。話すのは「正しさ」ではなく「この子に今、何が必要か」。主語を子どもにすると、不思議とぶつからなくなりました。

よくある質問

Q:夫婦で意見が合わないと、子どもに悪影響では?

意見が違うこと自体より、子どもの前でお互いを否定し合うことが負担になります。役割が違うと割り切り、子どもの前では相手を立てる。それだけで影響はかなり減ります。

Q:どうしても妻(夫)の叱り方が受け入れられません。

その場で止めるのではなく、二人だけのときに「あの言い方は子どもにこう響いていたかも」と事実ベースで伝えるのが効果的でした。人格ではなく、特定の場面に絞って話すのがコツです。

まとめ:温度差は、なくさなくていい

この記事のポイント

① 叱る妻と叱らない私、どちらも子どもを思う気持ちは同じだった
② 向いている方向が「未来」か「今」かが違うだけ
③ 叱る人と受け止める人、両方いたから子どもは極端に振れなかった
④ 平日ワンオペのしんどさは、役割分担と考えることで少し軽くなった
⑤ 子どもの前で相手を否定しない・日中の様子を共有する・正しさを争わない

不登校が始まった頃の私は、妻との温度差をなくそうと必死でした。でも今は、温度差はなくさなくていいと思っています。違う方向から子どもを見る二人がいるほうが、きっと家族は強い。

もしあなたが今、パートナーとの温度差に苦しんでいるなら、まず「相手は間違っている」という前提を一度だけ手放してみてください。それだけで、見える景色が少し変わるかもしれません。同じ立場で踏ん張っている父親に、この記事が少しでも届けばうれしいです。

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